出発の日、太陽は東から昇った。いつもより随分と冷え込む朝、私は大曲高校の生徒たちが修学旅行へと旅立つ大曲駅に足を運んでいた。冷たい空気が頬を刺し、駅には生徒たちの期待に満ちた顔が集まっていた。
まだ朝の静けさが残る駅構内で、生徒たちは新幹線「こまち」に乗り込む準備を整えている。リュックに詰まったたくさんの思い出が、今日から新しいページとして刻まれていくのだろう。制服に身を包んだ背中には、これからの冒険への小さな不安と、大きな期待がにじみ出ているようだった。
出発のアナウンスが流れると、生徒たちは「行ってきます!」と元気に声をかけ、次々とこまちに乗り込んでいった。窓際の席に腰を落ち着けると、手を振る姿がいくつも見え、その無邪気な笑顔に見送る側の私たちも自然と手を振り返した。